日程: 2025年10月29日(水)〜31日(金)
場所: 京都大学数理解析研究所110号室
お知らせ
- 統合講演者が決まりました! 今年は4名の先生に様々な観点から講演をお願いしています!(6/10)
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統合講演
深見 開 先生 (東北大学大学院工学研究科 准教授)
Data-oriented modeling and control of unsteady flows: generalized super-resolution and manifold learning
Abstract
本講演では、非定常流体データ解析を、状態場再構築・縮約モデリング・制御/最適化の観点から議論する。まず一般化超解像解析に基づくセンサ計測と機械学習を活用した流体場再構築とその産業乱流への適用を紹介する。次に超解像解析で得た物理的知見に基づき、突風下における小型航空機巡航の例を考え、観測変数に基づくオートエンコーダによるデータ圧縮を通じた物理を捉えた低ランク多様体の同定を紹介する。さらに得られた多様体を用いた位相振幅理論による超高速制御則導出や、観測変数に基づくオートエンコーダを用いたクルマ形状最適化や高レイノルズ数遷移バフェット現象解析等の幅広い非定常流体解析について触れる。最後に今後の流体データの指向的な活用を議論する。
大谷 智仁 先生 (大阪大学大学院基礎工学研究科 准教授)
生体流れのMRIデータを紐解く
Computational and theoretical modeling for interpreting physiological flow MRI
Abstract
磁気共鳴イメージング(Magnetic resonance imaging: MRI)は,体内の断面画像を非侵襲的に取得できる,広く一般的な医用計測技術ですが,その計測対象は私たちが想像するよりもずっと多様です.体内構造だけでなく,血液や脳脊髄液などの流れ(流速分布),組織中の間質液のみかけの拡散係数,さらには組織の粘弾性や脳機能に至るまで,様々な計測法が提案され,その多くが実際の医療や基礎研究で活用されています.これほど多機能なMRIですが,理工系の研究者が流体計測の視点から気軽に導入するには敷居が高く,MRIで得られるデータがどのような物理量を表しているか,どのような系統的・確率的誤差を含んでいるかなど,不透明な点も少なくありません.講演者は機械工学・計算力学を専門とする立場から,いくつかの医工連携研究に参画する中で,MRIの高い技術的ポテンシャルを実感する一方,その数理的・力学的解釈の難しさに直面してきました.本講演では,MRIが出力するデータを力学的観点から紐解くために,これまでに取り組んできた研究内容を紹介します.具体的には,MRIを用いた流体データ同化の方法論や,核磁気共鳴の巨視的な物理モデルに基づくMRIの数値シミュレーションについて説明し,最後に,複数のMRI流体計測の技術を,統一的に理解するための理論基盤についても触れたいと考えています.
大村 拓也 先生 (北海道大学電子科学研究所 助教)
マイクロ流体制御を活用した3次元バクテリア集合体内部のレオロジー計測
Rheological measurement inside 3D bacterial communities with microfluidic system
Abstract
バクテリアが形成する細胞集合体、バイオフィルムは排水溝や産業用パイプ内、歯石・歯垢、細菌感染症患者の生体内といった身の回りのあらゆる場所で成長する。生活に不利益をもたらすバイオフィルムを除去するため、その力学的物性を測定することは産業、医歯薬分野で重要な課題となっている。我々は数千細胞からなる形成初期の半球型バイオフィルム(約30マイクロメートル)に着目した。マイクロ流体デバイスを用いてバイオフィルムにせん断流れを与え、その変形応答を測定した。高速共焦点顕微鏡撮影、機械学習を用いた画像解析、細胞追跡アルゴリズムを組み合わせることで、単細胞スケールでバイオフィルム内部の3次元的な変形を定量することに成功した。本講演では上記の研究詳細に加え、流れの中でのバイオフィルム形成や細胞接着といった研究事例を中心に、「流体」と「バイオフィルム」の関連研究についても紹介する。
福原 洸 先生 (東北大学電子通信研究所 助教)
TBA
組織委員
飯間信(広島大院統合生命)
鈴木康佑(信州大学工学部)
山下博士(広島大院統合生命)
藤田雄介(広島大院統合生命)
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