2018年度 研究集会 「生物流体力学の展望」
Workshop on “Perspectives in biofluid mechanics” 

会場京都大学 数理解析研究所 110号室

日程: 11月12日(月)〜14日(水)

お知らせ

  • 2018.10.4 プログラムが完成しました
  • 2018.10.1 参加申込みをされた方にプログラム編成についてご連絡いたしました.もし参加申し込みをしたのに連絡がないという方は早急に連絡をお願いいたします.
  • 2018.2.23 日程が決まりました。
  • 2018.2.7 研究集会実施が決定しました! 詳しいことは決まり次第このページにアップロードします.


Place:  Room #110, RIMS, Kyoto University

Date: 2018-11-12(Mon) to 2018-11-14(Wed)

統合講演Plenary Lectures


1.「蚊の吸血ポンプの隠されたロバスト性」
    “Robustness of mosquito’s blood ingestion pump”

      菊地 謙次 先生(東北大学 大学院 工学系研究科)
      Prof. Kenji KIKUCHI (Tohoku University) 

蚊のメスは、宿主から得た血液を卵育成に使用し、種の繁栄を行ってきた。一方、蚊の吸血によって、マラリヤ原虫、西ナイル熱ウィルスやデングウィルスなど多くの感染症が拡散され、ヒトの進化の歴史にも大きな影響を与え続けている。蚊の頭部には、二連直列容積型ポンプが格納されている。花蜜や血液など高粘性流体を飲み込むために、そのポンプを運動させていることが、100年程前の論文にも解剖学的知見より予想されている。我々は、蚊の頭部にあるポンプの運動を、シンクロトロン放射光を利用し、リアルタイムでポンプ運動の可視化に成功した。蚊の吸血ポンプ運動には、両ポンプの位相の異なる2モードが存在することを発見し、またそれぞれの運動モードについて解析的に評価を行った。その結果、異なるモードのポンプ運動には針閉塞や気泡による減圧に打ち勝つための危機回避手段を持ち合わせていることが明らかになった。また、宿主に気づかれないよう短い時間で血液を摂取する必要があるが、力強く吸い込んでしまうと赤血球を溶結させてしまい、卵育成のための血液の長期保存が出来なくなる。種の保存や維持のためには、効率的かつ持続可能な運動が不可欠である。血液針内部の速度分布を詳細に計測し、その内部のせん断応力を見積もったところ、赤血球がせん断による溶血を示す許容せん断応力より十分小さい流速により吸血を実現していることが明らかとなった。


2.「蚊の特殊な翼運動と特殊な空気力学メカニズム」
    “Unusual wing kinematics and aerodynamics of mosquito”

      中田 敏是 先生(千葉大学 大学院 工学系研究科)
      Prof. Toshiyuki NAKATA (Chiba University) 

蚊の翅の羽ばたき運動は、そのサイズに対して非常に速く(羽ばたき周波数は約700Hzであり、同程度のサイズのショウジョウバエの3倍以上)、羽ばたき運動の振幅は非常に小さい(ミツバチの半分以下の40度程度)。我々のグループでは、8台の高速度カメラを用いて、飛行する蚊を撮影し、蚊の翼運動を詳細に測定した。この翼運動を用いて数値シミュレーションを行った結果、蚊は、これまで研究されてきた他のどの昆虫でも見られていない、蚊に特有の空気力学的メカニズムを利用して飛翔していることが明らかとなった。本講演では、航空力学の観点から見て“常識破り”であった様々な昆虫の空気力学のこれまでの“常識”を紹介し、昆虫の中でも更に“常識破り”な蚊の羽ばたき翼の運動と空気力学の特殊さ、そしてこれらによってもたらされる機能を議論する。



講演申し込みは終了しました./ Application was closed.

プログラムはこちら / Programme is here.


問い合わせ先・世話人: 飯間 信 (広島大院.理)

Organizer: Makoto Iima (Hiroshima University)


Email:

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この研究会は RIMS 共同研究(グループ型)「生物流体現象における諸問題」の一環として行われます.


過去の研究集会

2017年度研究集会「生物流体力学における基礎問題と応用問題」

2016年度研究集会「生物流体力学におけるミクロ運動とマクロ運動」

2015年度研究集会「生物流体力学における運動の諸相」

2014年度研究集会「生物流体力学における計測問題」

2013年度研究集会「生物流体力学における流れ構造の解析と役割」

2012年度研究集会「生物流体力学における同期および関連する現象」

© 飯間 信 2015